Q:「母集団」と「標本」って何が違うの?
A:
データ分析の本や記事を読んでいると、「母集団」や「標本」という言葉がよく出てきます。
何となくは知っていても、「どう違うの?」「何のために分けるの?」と感じたことはないでしょうか。
実はこの2つの概念は、統計の出発点と言えるほど大事な考え方です。
● 母集団とは?
「母集団」とは、分析対象となる“すべてのデータ”のことです。
たとえば、「日本全国の高校生の平均身長を知りたい」と思ったとき、対象となるのは全国の高校生全員で、これが母集団です。
ただし、現実には、全員にアンケートをとるのはほぼ不可能です。
時間もコストもかかりすぎるからです。国勢調査のように国が主導する大規模調査でさえ、完全に全員を把握するのは難しいのが実情です。
● 標本とは?
そこで登場するのが「標本(ひょうほん)」です。これは、母集団から一部だけを取り出したデータのことです。
たとえば、全国の高校生のうち、300人だけを無作為に選んで調査したとします。
この300人のデータが「標本」です。
この標本から得た平均身長を「標本平均」と呼びます。そして、それをもとに「母平均(=全国の高校生の本当の平均)」を推測するというのが統計学の基本的な考え方です。
● なぜ標本を使うの?
最大の理由は、現実的に全員を調べるのが難しいからです。ビジネスの現場でも、たとえば「自社商品を使った全ユーザーの満足度」を調べるのは無理があります。そのため、一部のユーザーにアンケートをとり、そこから全体の傾向を読み取ります。
この「一部から全体を推測する」という手法を推測統計と呼びます。
ただし、注意点もあります。標本の選び方が偏っていると、結果も偏ってしまいます。たとえば身長を調べるときに、バスケ部員ばかりを標本に選んでしまうと、平均身長は高く出てしまいます。これを標本の偏り(サンプリングバイアス)といいます。
信頼できる分析をするためには、標本を無作為(ランダム)に選ぶことが重要です。「たまたま手近にいた人」や「答えてくれそうな人だけ」を選ぶと、母集団全体の傾向を正しく反映できなくなります。
生の本当の平均)」を推測するというのが統計学の基本的な考え方です。
● 標本の大きさも重要
標本の数が少なすぎると、偶然の影響を受けやすくなります。たとえば10人の身長を測るより、300人の身長を測る方が、より正確に全国の平均に近づきます。
一般的には30件以上あれば統計的な分析に使いやすくなると言われています。アンケートを設計するときは、回答数の目標をあらかじめ決めておくことが大切です。
● まとめ
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 母集団 | 分析対象となる全体 |
| 標本 | 母集団の一部を取り出したデータ |
| 母平均 | 母集団の本来の平均(通常はわからない) |
| 標本平均 | 標本の平均で、母平均を推測するために使う |
| 推測統計 | 標本から母集団全体の傾向を推測する手法 |
| サンプリングバイアス | 標本の選び方が偏ることで結果が歪む現象 |
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