私たちは日常の中で確率に基づいた判断をすることが多いですが、実は直感と実際の確率が大きく異なることがあります。この記事では、確率の罠についていくつかの具体例を紹介し、より正確にデータを理解するためのヒントをお伝えします。
1. モンティ・ホール問題
有名な「モンティ・ホール問題」をご存じでしょうか?
問題の内容:
- 3つのドアのうち1つには車(当たり)、残り2つにはヤギ(ハズレ)が隠されている。
- 参加者は1つのドアを選ぶ。
- 司会者(モンティ)が、ハズレのドアを1つ開ける。
- 参加者は、最初に選んだドアを維持するか、別のドアに変更できる。
直感: どのドアを選んでも確率は変わらない(50% ずつ)。
実際の確率: 選び直した方が当たる確率は 66.7%(3分の2) になる!
▶ ポイント:最初の選択は成功率が33.3%、変更すれば成功率が66.7%になるため、直感に反して変更した方が有利!
2. ギャンブラーの誤謬(誤った確率の直感)
「そろそろ来るはず!」という考え方をしてしまうことはありませんか?
例えば、ルーレットで赤が5回連続で出たとき、次は黒が出る確率が高いと考えてしまう。しかし、実際にはどの回も独立しているため、確率は常に50%(※ルーレットのルールによる)です。
▶ ポイント:確率的な事象は独立していることが多いので、「そろそろ」は通用しない!
3. ベイズの定理と病気の診断
病気の検査結果が陽性だったら、本当にその病気にかかっている確率は高いのでしょうか?
例えば、ある病気の検査の正確性が以下のような場合を考えます。
- 病気にかかっている確率(事前確率):1%
- 病気の人が陽性になる確率(感度):90%
- 健康な人が誤って陽性になる確率(偽陽性率):5%
この場合、「陽性だったら病気の確率は90%」と考えてしまいがちですが、実際にはベイズの定理を使うと 陽性でも病気の確率は約15% になります。
▶ ポイント:検査の結果だけで判断せず、事前確率も考慮することが重要!
4. 平均への回帰
例えば、スポーツ選手が好成績を出した後、次の試合で成績が落ちることがあります。これを「スランプ」と考えてしまいがちですが、実は単なる「平均への回帰」の可能性が高いです。
▶ ポイント:極端な結果は長期的には平均に近づく傾向がある!
まとめ
- モンティ・ホール問題では、ドアを変更すると当たる確率が2倍になる。
- ギャンブラーの誤謬を避けるために、独立した確率を意識する。
- ベイズの定理を使うと、検査結果の解釈が変わることがある。
- 平均への回帰を理解し、短期的な変動に惑わされない。
確率の罠に惑わされず、データを正しく理解することが重要です!
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