カイ二乗検定とは?Excelでアンケート結果を分析する

Excelによるデータ分析

データ分析では、「性別と購買行動の関係」や「地域ごとの商品の人気度」など、カテゴリーデータの関係性 を調べることが重要です。その際に用いられる統計手法の1つが カイ二乗検定(Chi-Square Test) です。本記事では、カイ二乗検定の基本を理解し、Excelを使って簡単に分析する方法を解説します。

1. カイ二乗検定とは?

カイ二乗検定 とは、2つのカテゴリーデータの関係性(独立性)を検証する統計手法です。

カイ二乗検定の種類

種類説明
独立性のカイ二乗検定2つのカテゴリーデータに関係があるかを調べる(例:性別と購買行動)
適合度のカイ二乗検定期待される分布と実際の分布の差を調べる(例:顧客の年齢層と市場全体の年齢層の比較)

例えば、「性別と商品の購入有無に関係があるか?」を調べる場合、独立性のカイ二乗検定 を用います。

2. Excelでカイ二乗検定を実施する方法

Excelには、カイ二乗検定を簡単に実施できる CHISQ.TEST関数ピボットテーブル があります。

CHISQ.TEST関数を使う方法

Excelの CHISQ.TEST 関数を使うと、2つのカテゴリーデータの関係性を数値(p値)で確認できます。

CHISQ.TEST関数の構文

=CHISQ.TEST(観測データ範囲, 期待データ範囲)

CHISQ.TEST関数の例

A列とB列に観測データ、C列とD列に期待データがある場合、

=CHISQ.TEST(A1:B2, C1:D2)

この場合、

  • p値が 0.05未満 なら、「2つのデータに統計的な関係がある」と判断できます。

ピボットテーブルを使ってクロス集計表を作成

  1. データを準備(例:性別と商品の購入有無のデータ)
  2. 「挿入」タブ → 「ピボットテーブル」 を選択
  3. 行ラベルに「性別」、列ラベルに「購入有無」を設定
  4. 値の集計で「データの個数」を選択し、クロス集計表を作成
  5. CHISQ.TEST関数を適用し、統計的な関係性を確認

3. カイ二乗検定の結果を読むポイント

Excelのカイ二乗検定結果から、以下の指標を確認します。

(1) p値(有意性の確認)

  • p値 < 0.05 なら、「カテゴリーデータ間に統計的な関係がある」と判断する。
  • p値 > 0.05 なら、「統計的に有意な関係はない」と判断する。

(2) 期待値と観測値の比較

  • 実際のデータ(観測値)が、理論上の期待値と大きく異なる場合、2つのデータは関係している可能性が高い。

4. カイ二乗検定の活用例

(1) 顧客の購買傾向分析

  • :「男性と女性で、特定の商品を購入する割合に違いがあるか?」
  • 活用方法:ターゲットマーケティングの最適化する。

(2) 地域ごとの人気商品の比較

  • :「地域ごとに人気の商品に違いがあるか?」
  • 活用方法:地域特化型の販促施策の立案する。

(3) アンケート結果の分析

  • :「年齢層とブランドの好みに関係があるか?」
  • 活用方法:ターゲット別のブランド戦略の検討する。

5. カイ二乗検定の注意点

(1) データ数が少ないと信頼性が低くなる

  • カテゴリーごとのデータ数が5未満の場合、結果の信頼性が低くなる可能性がある。
  • 必要に応じて Fisherの正確確率検定 などを検討する。

(2) カテゴリーが多すぎると解釈が難しい

  • カテゴリーの数が多い場合、適切にグループ化することで解釈しやすくなる。

(3) 相関と因果関係の違い

  • カイ二乗検定で関係があると分かっても、それが因果関係であるとは限らない。
  • 例:「タピオカを飲む人はSNSの利用率が高い」→タピオカがSNSの利用を促すわけではない。

まとめ

  • カイ二乗検定は、2つのカテゴリーデータの関係性を調べる統計手法です。
  • ExcelのCHISQ.TEST関数やピボットテーブルを使えば、簡単に分析ができる。
  • p値が0.05未満なら、統計的に有意な関係があると判断できる。
  • データ数やカテゴリー数に注意しながら、適切に活用することが重要です。

Excelのピボットテーブルを使用すれば、簡単に集計表や分析が行えます。また、カイ二乗検定を活用して、データに基づいた意思決定を行いましょう!

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