「営業担当者ごとの売上、なんか差があるなあ…」
福祉用具レンタルの仕事をしていると、担当者ごとの実績に差があることに気づきます。でも「差がある」と感じるだけでは、具体的にどのくらいの差なのかが伝わりません。
そこで使えるのが標準偏差と分散です。
この記事では、標準偏差と分散の意味をわかりやすく解説し、Excelで実際に計算する手順を架空の営業データを使って紹介します。
標準偏差と分散とは?
分散(Variance)
分散は、データの各値が平均からどれだけ離れているかを示す指標です。各データと平均の差を二乗して平均した値です。
二乗するのは、平均より大きい値と小さい値のプラスマイナスが打ち消し合わないようにするためです。
標準偏差(Standard Deviation)
標準偏差は、分散の平方根を取った値です。分散は二乗した単位になるため直感的にわかりにくいですが、標準偏差は元のデータと同じ単位になるので「どのくらいばらついているか」が実感しやすくなります。
実際にやってみた:営業担当者5人の売上データ
以下は、福祉用具レンタル会社の営業担当者5人の月間売上(架空データ、単位:万円)です。
| 担当者 | 月間売上(万円) |
|---|---|
| Aさん | 120 |
| Bさん | 95 |
| Cさん | 150 |
| Dさん | 80 |
| Eさん | 110 |
平均は 111万円 です。でも「平均111万円」だけ見ていると、担当者間の差が見えません。
Excelで計算する手順
① A列に担当者名(A2:A6)、B列に売上数値(B2:B6)を入力
② 平均: =AVERAGE(B2:B6)
③ 標準偏差(標本): =STDEV.S(B2:B6)
④ 分散(標本): =VAR.S(B2:B6)
計算結果:
- 平均:111万円
- 標準偏差:約26.1万円
- 分散:約681
標準偏差が約26万円ということは、「平均から上下26万円程度のばらつきがある」と読めます。Dさん(80万円)は平均より31万円低く、Cさん(150万円)は39万円高い。この差が数値で可視化されました。
「なんとなく差がある」から「約26万円のばらつきがある」に変わるだけで、上司への報告や改善提案がぐっと具体的になります。
標準偏差と分散の使い分け
| 指標 | 使い場面 | 例 |
|---|---|---|
| 分散 | ばらつきを数値で厳密に評価したいとき | データ同士を統計的に比較する |
| 標準偏差 | ばらつきを直感的に説明したいとき | 上司や現場への報告 |
ビジネスの現場では標準偏差の方が使いやすいです。元のデータと同じ単位(万円など)で表せるので、「平均から±26万円のばらつき」と説明できます。
VAR.SとVAR.Pの使い分け
初めて使う方が迷いやすいのが「S」と「P」の違いです。
- P(Population=母集団):手元のデータが分析対象のすべてである場合
例:「この1年間の全売上データ」 - S(Sample=標本):手元のデータが全体の一部である場合
例:「アンケートに答えた100人のデータ」
迷ったときはSTDEV.S / VAR.Sを使っておけばビジネスの現場ではまず問題ありません。
まとめ
- 分散はデータのばらつきを二乗して測るため大きな値になりやすい
- 標準偏差は分散の平方根で、元のデータと同じ単位になる
- S(標本)とP(母集団)の使い分けは、データが全体かその一部かで判断する
- Excelの関数(STDEV.S、STDEV.P、VAR.S、VAR.P)で簡単に計算できる
「なんとなく差がある」と感じたデータを、標準偏差を使って数値で表してみてください。感覚が数字になる瞬間が、データ分析の面白さだと思います。
あなたが職場で「ばらつきが気になった」データはどんなものでしたか?ぜひコメントで教えてください。
コメント