Q&Aでわかるデータ分析(No.9 偏差値)

Q&Aでわかるデータ分析

Q:偏差値ってどうやって決まるの?


A:

学校のテストや模試でよく聞く「偏差値」。
「偏差値60ならまあまあ良い」「40ならちょっと低い」…なんとなく感覚ではわかるけれど、『具体的にどう計算されているのか?』となると意外と知られていません。

実は偏差値は、平均点や標準偏差と深く関係しています。


● 偏差値は「平均からのズレ」を数字にしたもの

偏差値は、その人の点数が全体の中でどの位置にいるかを、わかりやすく示す指標です。

簡単に言うと、

  • 平均点と同じなら偏差値50
  • 平均より上なら50より大きい
  • 平均より下なら50より小さい

というルールで成り立っています。


● 偏差値の計算式

実際の計算式はこちらです:

偏差値 =(得点 − 平均点)÷ 標準偏差 × 10 + 50

この式で何をしているかというと、

  1. 得点と平均点の「差」を出す
  2. それを「標準偏差」で割って、どれくらい離れているかを調整する
  3. 見やすくするために10倍して、さらに50を足す

という処理をしています。

つまり、標準偏差が大きい(=点数のバラつきが大きい)と、偏差値も影響を受けるんです。


● 偏差値の意味をグラフでイメージすると…

偏差値は『正規分布(山型の分布)』を前提にして作られています。
そのため、以下のような分布になります:

偏差値全体に占める割合(ざっくり)
70以上上位2.3%
60〜69上位16%
50〜59平均よりやや上
40〜49平均よりやや下
30〜39下位16%
29以下下位2.3%

偏差値が60を超えていれば、上位16%に入っているということになります。
単なる得点よりも、相対的な立ち位置を判断できるのが偏差値の強みです。


● Excelで偏差値を求める方法

Excelで偏差値を計算するには、AVERAGE関数とSTDEV.P関数を使って以下のようにします:

=(((B2 - AVERAGE(B2:B101)) / STDEV.P(B2:B101)) * 10) + 50
  • B列に得点が入っていると仮定した式です
  • この式を横展開すれば、すべての人の偏差値が一気に計算できます

● 偏差値は「順位」じゃない!

よく誤解されがちですが、偏差値=順位ではありません。
偏差値は点数の分布全体をもとにした位置づけです。

たとえば、みんなが難しいと感じたテストで80点を取った人と、簡単なテストで90点を取った人。
単純な得点では後者の方が高いですが、偏差値で見ると前者の方が高くなることもあります。


● まとめ

用語意味
偏差値全体の中での自分の位置を示す数値
平均点全体の得点の平均
標準偏差点数のバラつきの大きさを示す指標

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