「平均を見ればいいんじゃないの?」
データを見るとき、多くの人がまず平均を確認します。でも、平均だけを見ていると判断を誤ることがあります。
前回の記事で、福祉用具レンタル会社の営業担当者5人の月間売上データ(架空)を使って標準偏差を計算しました。今回は同じデータを使って、平均値・中央値・最頻値の違いをExcelで確認してみます。
使用するデータ
営業担当者5人の月間売上(架空データ、単位:万円)です。
| 担当者 | 月間売上(万円) |
|---|---|
| Aさん | 120 |
| Bさん | 95 |
| Cさん | 150 |
| Dさん | 80 |
| Eさん | 110 |
平均値・中央値・最頻値とは?
平均値
すべてのデータの合計をデータ数で割った値です。
Excelの関数:=AVERAGE(B2:B6)
今回の結果:111万円(= (120+95+150+80+110) ÷ 5)
中央値
データを小さい順に並べたとき、ちょうど中央に位置する値です。
Excelの関数:=MEDIAN(B2:B6)
小さい順に並べると:80・95・110・120・150
今回の結果:110万円
最頻値
データの中で最も頻繁に出現する値です。
Excelの関数:=MODE.SNGL(B2:B6)
今回の結果:該当なし(全員の売上が異なるため)
3つの指標を比べてみる
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 平均値 | 111万円 |
| 中央値 | 110万円 |
| 最頻値 | 該当なし |
今回のデータでは平均値と中央値がほぼ同じです。これはデータが極端に偏っていない(外れ値がない)ことを意味します。
では外れ値がある場合はどうなるでしょうか。
外れ値があると平均は「嘘をつく」
もしCさんの売上が150万円ではなく500万円だったとします。
| 指標 | 通常時 | Cさんが500万円の場合 |
|---|---|---|
| 平均値 | 111万円 | 181万円 |
| 中央値 | 110万円 | 110万円(変わらない) |
平均は70万円も跳ね上がりますが、中央値はそのままです。
「平均181万円の営業チーム」と言うと聞こえはいいですが、実態は4人が80〜120万円台です。この場合、中央値の110万円の方が実態を正確に表しています。
使い分けのまとめ
| 指標 | 使い場面 | 例 |
|---|---|---|
| 平均値 | データ全体の傾向を把握したいとき | 外れ値がないデータの代表値 |
| 中央値 | 外れ値の影響を受けたくないとき | 給与・家賃など極端な値が混ざるデータ |
| 最頻値 | 最もよく出る値を知りたいとき | 売れ筋価格帯・よく出る介護度など |
迷ったときの判断基準はシンプルです。極端に大きい・小さい値が混ざっているなら中央値、そうでなければ平均値を使いましょう。
Excelでの計算手順(まとめ)
① A列に担当者名(A2:A6)、B列に売上数値(B2:B6)を入力
② 平均値:=AVERAGE(B2:B6)
③ 中央値:=MEDIAN(B2:B6)
④ 最頻値:=MODE.SNGL(B2:B6)
3つの関数を並べて計算結果を比較するだけで、データの「顔」が見えてきます。
まとめ
- 平均値はデータ全体の傾向を示すが、外れ値の影響を受けやすい
- 中央値は外れ値に強く、実態を正確に表しやすい
- 最頻値は最もよく出る値で、価格帯や頻度の分析に向いている
- 同じデータでも指標が変わると見え方が変わる。目的に合わせて使い分けることが大切
「平均だけ見ていたら実態と違った」という経験はありませんか?ぜひコメントで教えてください。
▼ 同じデータで「ばらつき」を数値化する方法は(標準偏差と分散とは?データのばらつきをExcelで分析する)をご覧ください。
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