「訪問件数を増やせば、新規契約も増えるはず。でも本当にそうなのか?」
感覚ではわかっていても、数字で証明できないと説得力がありません。
こういうときに使えるのが回帰分析です。2つの変数の関係を数式で表し、「訪問を1件増やすと契約が何件増えるか」を予測できます。
この記事では、福祉用具レンタル会社の営業データ(架空)を使って、Excelで回帰分析を実際にやってみます。
私自身、データ分析を学び始めた頃に回帰分析を初めて試したとき、「こんな変数同士に関係があるのか」と驚いた経験があります。難しそうに見えて、Excelなら意外と簡単にできます。
回帰分析とは?
回帰分析とは、2つ以上の変数の関係を数式で表し、予測や傾向分析を行う統計手法です。
| 種類 | 説明 |
|---|---|
| 単回帰分析 | 1つの説明変数で予測(例:訪問件数 → 新規契約数) |
| 重回帰分析 | 複数の説明変数で予測(例:訪問件数+提案資料数 → 新規契約数) |
今回は単回帰分析を使います。「訪問件数(説明変数)」と「新規契約数(目的変数)」の関係を分析します。
使用するデータ
営業担当者10人の月間データ(架空)です。
| 担当者 | 訪問件数(A列) | 新規契約数(B列) |
|---|---|---|
| 1 | 20 | 3 |
| 2 | 35 | 5 |
| 3 | 15 | 2 |
| 4 | 40 | 7 |
| 5 | 25 | 4 |
| 6 | 50 | 8 |
| 7 | 30 | 5 |
| 8 | 45 | 7 |
| 9 | 10 | 1 |
| 10 | 55 | 9 |
Excelで回帰分析をやってみる
事前準備:データ分析ツールを有効にする
Excelの「データ」タブに「データ分析」が表示されていない場合は以下の手順で追加します。
① 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」
② 下部の「管理:Excelアドイン」→「設定」
③「分析ツール」にチェック→「OK」
回帰分析の手順
① A列に訪問件数(A1:A10)、B列に新規契約数(B1:B10)を入力
② 「データ」タブ→「データ分析」をクリック
③「回帰分析」を選択→「OK」
④ 入力Y範囲:B1:B10(目的変数=新規契約数)
⑤ 入力X範囲:A1:A10(説明変数=訪問件数)
⑥「新規ワークシート」を選択→「OK」
結果が新しいシートに出力されます。
結果の読み方
① 決定係数(R²)
今回のデータでは R²≒0.98 になります。
1に近いほど予測精度が高い指標です。0.98は「訪問件数が新規契約数の98%を説明できる」ことを意味します。非常に強い関係があります。
② 回帰係数
「係数」列に表示される数値が回帰係数です。今回は約0.17になります。
「訪問を1件増やすと、新規契約が0.17件増える」と読めます。つまり訪問を6件増やすと、新規契約が約1件増える計算です。
③ p値
p値が0.05未満なら「統計的に有意な関係がある」と判断できます。今回のデータではp値が非常に小さくなるため、訪問件数と新規契約数には有意な関係があると言えます。
回帰分析を使うときの注意点
- 外れ値に注意:極端な値があると結果が歪む。散布図で事前確認を
- 相関≠因果:関係があっても「原因と結果」とは限らない。共通の背景要因がある場合も
- 予測範囲に注意:データの範囲外の予測は精度が下がる
まとめ
- 回帰分析は2つの変数の関係を数式で表し、予測に使える手法
- ExcelのデータAnalysisツールで簡単に実施できる
- 決定係数(R²)・回帰係数・p値の3つを確認する
- 「訪問を6件増やすと契約1件増加」のように、感覚を数字で表せるのが強み
「感覚ではわかっているけど数字で示せない」ことは職場にたくさんあります。回帰分析はそれを数字に変える道具です。ぜひExcelで試してみてください。
あなたの職場で「数字で証明したい関係性」はありますか?ぜひコメントで教えてください。
▼ データのばらつきを数値化する方法は(標準偏差と分散とは?データのばらつきをExcelで分析する)をご覧ください。
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