データ分析において、データの「ばらつき」を把握することは非常に重要です。そのばらつきを表す指標として、標準偏差と分散がよく使われます。これらの違いを理解し、Excelを使って簡単に計算する方法を解説します。
1. 標準偏差と分散とは?
1.1 分散(Variance)とは?
分散は、データの各値が平均からどれだけ離れているかを示す指標です。
Excelでは、以下の関数を使用します。
- 母集団全体の分散:
VAR.P
- 標本データの分散:
VAR.S
1.2 標準偏差(Standard Deviation)とは?
標準偏差は、分散の平方根を取った値です。
Excelでは、以下の関数を使用します。
- 母集団全体の標準偏差:
STDEV.P
- 標本データの標準偏差:
STDEV.S
2. 標準偏差と分散の使い分け
指標 | 使い方 | 例 |
---|---|---|
分散 | データのばらつきを厳密に評価する | 売上データのばらつきを測る |
標準偏差 | データのばらつきを直感的に理解する | テストの点数の変動を分析する |
例えば、以下の2つのデータセットを考えます。
- A: 50, 55, 60, 65, 70
- B: 30, 45, 60, 75, 90
両方の平均は 60 ですが、Bの方が数値のばらつきが大きいため、標準偏差も大きくなります。
3. Excelでの計算方法
- データを入力(例として、A1:A10に数値を入力)
- 適切な関数を入力
- 分散(標本):
=VAR.S(A1:A10)
- 分散(母集団):
=VAR.P(A1:A10)
- 標準偏差(標本):
=STDEV.S(A1:A10)
- 標準偏差(母集団):
=STDEV.P(A1:A10)
- 分散(標本):
- Enterキーを押すと結果を表示
まとめ
- 分散 はデータのばらつきを二乗して測るため、大きな値になりやすい。
- 標準偏差 は分散の平方根を取った値で、元のデータと同じ単位になる。
- Excelの関数(VAR.S, VAR.P, STDEV.S, STDEV.P)を使えば、簡単に計算できる。
普段、聞きなれない分散や標準偏差という言葉、データ分析を行ううえでは、とても重要な内容です。これらを理解し、データ分析に活かしていきましょう!
コメント